南円堂

南円堂 813年(弘仁4年)、藤原北家の藤原冬嗣が父内麻呂の冥福を祈って創建した八角堂。興福寺は藤原氏の氏寺であったが摂関家北家の力が強くなり、その祖である内麻呂・冬嗣ゆかりの南円堂は興福寺の中でも特殊な位置を占めた。発掘調査では、基壇築造の際に地神を鎮めるために和同開珎、隆平永宝といった銭貨が撒かれた事が明らかとなっており、弘法大師(空海)が関わっていたと伝えられている。現在の堂は創建後4度目の建物で、1789年(寛政元年)に再建された(重要文化財)。
堂内には、不空羂索観音像と四天王像が安置されている(いずれも国宝)。西国三十三箇所の第九番札所。